2013年12月23日月曜日

ブログ引っ越ししました。

事情があり、ブログを引っ越しました。新しいブログのアドレスは以下の通りです。

蒼天快走記 CB400SFとN-ONEと!

引き続き、よろしくお願いします。なお、こちらの記事も残しておきます。

2013年7月15日月曜日

N-ONE 納車から2週間経ちました

さて、新しい四輪の愛車N-ONEですが、納車から2週間経ち、2回目の給油なども済んだところで簡単なレビューなどいたしたいと思います。


納車時の様子です。こうしてみると、その大きさの違いが際立ちますね。自宅の駐車場でもスペースに余裕がずいぶんできました(笑)。我ながら、思い切ったダウンサイジング。

で、運転しようと乗ってみて、試乗の時はそれほどでもなかったんですが、気になったのはまずポジション。ユーロRだとばっちり決まっていたのですが、N-ONEだと足に合わせるとハンドルが少々遠くなり、ハンドルの握りやすさを優先すると足下が窮屈です。ただ、ユーロRでの自分の場合コーナーリングを楽しむためのポジションだったため普通のドライバーよりややハンドルは近めだったかもしれません。まっすぐ走る、ゆっくり曲がるならハンドルの12時に当たる部分は握ったときやや腕が伸びきるのは問題にならないとは思います。思いますが、やっぱり自分的には少々気持ち悪いんですよね・・・。

しかし、特に長時間運転したときの「疲れ」を優先して考えるとそのほとんどはゆったり、まっすぐ走っています。特にN-ONEではワインディングを「攻める」なんて事はまずやらないわけですから、ハンドルが少々遠目でも問題ないわけです。おそらく慣れれば解決することなんでしょう。

さて、何とかポジションを決めて走り始めます。当然ですが、試乗車で感じたのと同じように発進加速ではなかなかのトルクを感じさせるエンジンです。加速中はやや3気筒エンジンの雑音を感じさせますが、定速走行に入ってパーシャルスロットルで走るとなめらか、静かになります。

ハンドリングも、重心の高さに似合わず安定しています。初めは少し柔らかすぎないかと思いましたが、それは足回りのせいではなく、ホールドの弱いベンチシートによる感覚的なものだと気づきました。シートの中で身体がふらふらするものだから足が弱いように思うんですね。フットレストで踏ん張り、身体を固定するとロールはまああるもののしっかり踏ん張ってくれていることがわかります。これはツアラーを選んだらついてくるスタビライザーの効果によるものでしょう。まぁ、こんな走りをN-ONEで試す人などあまりいないでしょうから、シートはこれで良いんでしょうね・・・。乗り心地自体は悪くありません。

さて、先週納車直後を除けば初の給油を行いましたので、燃費を計算することができました。どのくらいだったのでしょうか・・・?

走行距離503km/給油量29.52リットル=17.04km/lという結果となりました。ううむ、思ったより伸びていない。燃費計では18.7km/lを記録していたので、18は行くと思っていたんですが、結構差が大きいですね。通勤経路だけだと燃費計では20km/l行っていたんですが、片道3~5km程度の近所の買い物とかではおそらく15~16km/l程度のように思えます。走り始めてからエンジンが暖まるまでが特に燃費は悪そうですね。さて、ユーロRではある程度走ってエンジンに当たりが出て来てから燃費が伸び始めましたから、N-ONEも同じように伸びてくれたら良いんですが。


ともかく、燃費などについてはこれからの推移を見守っていきたいと思っています。もっと伸びてくれると良いなぁ。

それでは、フォトギャラリーです(笑)。


天気が良かったら、もっと良かったのになぁ。


同じ場所で反対側からです。


水面から木が生えています(笑)。

こんなところで、また次回の報告をお楽しみに。

2013年7月7日日曜日

ひまわり祭り!とRX-02インプレッション2

さて、タイヤをRX-02に交換してから1ヶ月以上経ちました。換えてからの走行距離はおよそですが500~600kmくらいでしょうか。

まず走行フィーリングですが、相変わらず倒し込みは軽く感じられます。コーナーリング中のラインの修正もやりやすいですね。それから、接地感もしっかり感じられ、今までに比べて安心してコーナーリングができます。僕は、他の高価なタイヤを使ってみたことはありませんのでこの判断がどのくらい正しいのかはよくわかりませんが、少なくとも前のK505よりはあらゆる面で良いと思います。

取り回しの時、転がり抵抗が軽いと感じたと書きましたが、その感覚が本物かどうか交換後最初の満タン法による燃費測定ではわずかに前より良くなりました。ただ、誤差の範囲内といえなくない程度なのでこれは今後じっくり確認してみます。

で、今日(7月7日)はちょこっとできた時間でミニツーリングに行ってみました。まんのう町の帆山というところでひまわり祭りが行われるということで、祭りはまだ先だったのですが、咲き具合の確認に行ってみました。

最初に見たところではまだ2輪ほどしか咲いておらず、まだまだかな、と思いましたが・・・。




空がゴロゴロ言い出したので、早く帰ろうと県道へ出てみると・・・。


咲いてました!



それから、行く途中でダムの写真も撮ってみました。


またやからしてますね、このオッサン。シュワッチ、とか叫んでいそうです。オタクですから。


全景はこんな感じです。田万ダムといいます。

今月は、大阪でのオフ会に誘われていますので、ツーリングついでに行けたら、と思ってます。以前行った瀬戸内海沿いを走るか、竹田城址に行ってみるか、淡路島を縦走するか、悩み中です。天気が悪ければ、もう一つの愛車N-ONEで行くかも・・・。

2013年5月26日日曜日

タイヤ交換!IRC RX-02

さて、CB400SFですが、購入後一年半とちょっとでの走行距離が12000kmを越え、ぼちぼちタイヤも痛んできました。溝はまだ残っているんですが、特に前輪のひび割れがひどく、交換することにしました。

純正はダンロップのK505ですが、少し気分を変えてみたかったこと、パターンのかっこいいタイヤにしてみたいことなどからいろいろネットで探してみていたところ、IRCのRX-02というタイヤが安く売っているのを見つけました。いつものバイク屋さんに持ち込みで交換してもらえるか聞いてみたところ、OKだったので、これを購入して交換してもらうことにしました。


リヤです。溝がくねくねと波打っています。珍しいパターンですね。


フロントです。リヤほどではないけどうねってますね。

バイク屋で交換してもらった後、少しだけ遠回りして帰ってきました。

まず、発進の時「おや、軽いぞ」と思いました。転がり抵抗が少ないような感じです。また、最初に交差点でわずかに寝かし混んだところ、フロントが思ったより切れ込んだのでビックリしました。タイヤ形状の違いでしょうか?それとも新品で皮むきができていないからでしょうか。とにかく、そこから帰るまではずっと転がり抵抗の少なさは感じ続けました。これは、かなり痛んでいたK505との比較になるため、正確な比較ができているかどうかは疑問ですが。ただ、K505もはじめから最後まで燃費はほとんど変わらなかったため転がり抵抗については変わってないと思いますが・・・。また、取り回しではそれほどの押し引きの重さの違いは感じられませんでした。やや軽いかな?というくらいです。

しばらく軽いカーブのある道を走ってみて思ったのは、フロントが切れ込みやすく、倒し込みも軽い感じですが、グリップにはほとんど違いは感じられません。もっとも、限界を試すような走りは自分にはできませんので、グリップの差なんてわかりようもないかもしれませんが(笑)。

とにかく、もうしばらく走ってみないと最終的な判断はできませんが、おおむね好印象です。転がり抵抗の少ないという感覚が本物なのか、燃費もどう出るか楽しみです。ワインディングなども楽しく走れそうです。これで安心して遠出もできますし、6月に入ったらどこかで休暇を取って今度こそ四万十の海洋堂まで行ってみたいものです。瓶ヶ森林道も行きたいところですが、そっちは紅葉の時期に取っておくかな?

2013年5月19日日曜日

ホンダ N-ONE試乗(契約)してきました(追記:2013/05/26)

今日、買い換えを検討しているためホンダN-ONEを試乗してきました。グレードはプレミアムのツアラー(ターボ)。カラーはプレミアムブルームーン・パール。



発売当初にも試乗はしたのですが、その時は買い換えを全く考えていなかったためなんとなーく走って長男とも運転を替わりながらだったので、その時の印象はあまりよく覚えていませんでした。

で。まずエンジン。自分の今の愛車であるアコードユーロRとはくらべるべくもありませんが、しかしターボを感じさせない自然なフィーリングでトルクが立ち上がっていきます。嫁の車であるフリードよりも力強い印象。ここで気がつきましたが、走行モードが燃費優先のエコモードになっています。そこで、エコモードを解除してみました。すると、立ち上がりからピックアップが良くなり、さらに力強く感じられます。ややエンジン音も勇ましいですが、気になるほどではない。ホンダはこのあたり、わざと音を聞かせてるのかな?とも思います。

しばらく走ってエコモードに戻し、ディーラーに向かいます。すると、定速走行に入ってからの再加速の時、アクセルに対する反応がややマイルド。ここは違いがはっきり体感できるところでしょうか。

ツアラーにはスタビライザーが入っているとのことですが、コーナーリングや急なレーンチェンジを試したわけではないので、その効果ははっきりわかりませんでした。しかし、今回走った範囲では非常にしっかりした足回りであるとの印象です。ただ、背が高く、おそらく重心も高いと思われるため、急なハンドル操作ではどうなるか?まぁ、そんな走り方をする車ではないでしょうが・・・。

さて、実際に買うとなるとプレミアムはフェイスがごてごてしているところが気に入らず、候補から外れそうです。内装はスタンダードモデルより落ち着いてるんですが、決定的に違うとまでは思えません。ということになれば、パワーの面からターボモデル(スタビライザーも入っている)、外観の好みからスタンダードということでツアラーというグレードに落ち着きそうです。あとは色ですが、プレミアムイエロー・パールかイノセントブルー・メタリック。イエローが最も好みですが、「プレミアムカラー」のため35000円高・・・。



追記:
というわけで、ツアラーのプレミアムイエロー・パールを契約してきました。ブラックインテリアは諦め、オーディオレス、フロアマット、無限のバイザーという最低限のオプションで。イノセントブルー・メタリックのツートンも魅力的でしたが、イエローがやっぱり欲しかったのです。

Lパッケージにしなかったのは、パドルシフトは欲しかったのですが、クルーズコントロール、アルミは要らなかったので14万円アップはとても選べませんでした。サイドカーテンエアバッグの安全装備にはお金をけちりたくありませんでしたが、要らないオプションが多すぎる・・・。
せめて、LパッケージはノンターボのGと同じ内容にして、Sパッケージとしてパドルシフト、クルーズコントロール、アルミホイールを付けるとかにできなかったんですかね。で、LSパッケージとして両方ついたものを選べば割安になるとか。ここら辺、ホンダのオプション戦略は納得いかない部分があるなぁ。

オーディオは、ネットでケンウッドのDPX-U70という2DINサイズのものを購入しました。これをディーラーにて取り付けをサービスしてもらうことになりました。曲名が日本語表示、USB、前面AUX対応などの条件で探し、はじめは1DINサイズのものを考えていたのですが、これが旧モデルということで安くなっていたのでこの機種に決定しました。音質などはまだわかりませんが、いずれレポートしたいと思います。

それはともかく、納車予定は7月はじめとのこと。今から非常に楽しみです。

2013年5月17日金曜日

ビームな女


 とある公的研究機関のとある研究室。いつ終わるともしれぬ不況の中、公民問わずほぼすべての人間が苛烈な仕事を強いられている。その中でも田舎にあるここでは比較的平穏な空気が漂っていた。

 河野曜子は入庁して3年目、そろそろ仕事の目先も利くようになってきた頃である。しかし、40代中頃のおっさんに囲まれた中では、まだまだ花盛りの少女のようである。研究者としてはほんわかした雰囲気を持った彼女は、その技術は一人前と認められていたものの、少々子供扱いされることもあった。

「渡辺さ~ん、ちょっとお願いがあるんですけどぉ。」

渡辺と呼ばれた中堅の研究員はパソコンを使ってデータ処理を行っていた手を止め、振り返った。

「なに?」

曜子は困ったような顔をして、流しの方を指さしている。

「ゴキブリがでたんですぅ。」

渡辺は、しょうがないな、という顔をして立ち上がった。

「どこ?」

「ここです・・・あれ、いない?」

曜子はゴキブリの姿を探していたが、渡辺が先に見つけた。

「あ、天井や。ちょっと届かへんなぁ。」

「殺虫剤もないですし・・・。」

渡辺は、急に思いついたようにぽんと手を打った。

「河野さん、メガネ掛けてんねんし、メガネビームでやっつけたったら?」

「メ、メガネビーム?」

曜子は、渡辺がまたつまらないおっさんジョークを言っているのだと思い、苦笑した。渡辺は特撮ヲタクであり、そういったジョークが好きだった。

「渡辺さん、またそんなことばっかり・・・。」

「え?」

「そんなんできるわけないじゃないですか。」

いつもなら、渡辺はここでにやっと笑い、まじめな話に戻るのが常だった。しかし、渡辺はなにも言わず、困惑したような顔で曜子の方を見ていた。

「渡辺さん、早くなんとかしてくださいよぅ。」

「・・・そっか、河野さんはまだ使い慣れてへんねんな。しゃぁない、ワシ、今コンタクトやけどメガネも持ってきてるから、やったるわ。」

「え?なにをですか?」

渡辺は自分のデスクへ戻ると、鞄からメガネを取りだした。そして、流しへ戻ってきた。

「河野さん、よぉ見ときや。」

「はぁ・・・。」

曜子はなんのことかわからず、ただその場で黙って見ているしかできなかった。
渡辺は、おもむろにメガネを掛けた。

「でゅわっ!」

「・・・?渡辺さん、どうしたんですか?」

「いや、メガネを掛けるときは、これを言わんと気合いが入らんのや。」

まったくこの人はヲタクなんだから・・・。曜子はそう思ったが、口には出さなかった。しかし、この動作とかけ声でヲタクとわかる曜子も大概である。
そして、渡辺はメガネの縁に手を掛けると、突然叫んだ。

「メガネッ、ビィィィィィィィィムゥ!」

すると、なんと渡辺のメガネから天井のゴキブリに向かって閃光が走った。そして、ゴキブリは一瞬にして黒こげになった。

「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」

曜子はびっくりして思わずその場を飛び出してしまった。

「お、おい、河野さん、おーいっ!」

渡辺の叫びも耳に入らず、曜子は走り去ってしまった。

 曜子が研究庁舎と飛び出すと、同じ研究室の吉田が帰ってくるところだった。

「吉田さん、大変なんです!」

「河野さん、どうしたの?」

曜子の剣幕に、吉田は少し驚いているようだった。

「渡辺さんが、渡辺さんが・・・。」

「渡辺さんが何かしたの?」

曜子は、息を切らしながら吉田に話した。

「何かしたって言うか、変なんです。」

「変って、いつもやん。」

吉田は、いつものくだらないジョークで渡辺が曜子をからかったのだろうとでも言いたげな表情だった。

「あの、渡辺さん、メガネが・・・。」

「ああ、彼、たまに掛けてるやん。それが?」

「それが、あの、ゴキブリをメガネで・・・。」

吉田はちょっとびっくりしたような表情になった。

「ゴキブリをひっぱたいた?」

曜子は激しく首を振った。

「そうじゃなく、あの、メガネから光線が。」

「なんや、そんなことか。」

吉田は、やれやれ、といった表情だった。

「本当なんです!信じてください。渡辺さんがメガネを掛けて、メガネビーム ってさけんだんです。そしたら、メガネから光線が・・・。」

「いや、だからそんなことで?」

「え・・・?」

「いや、だから・・・。」

そう言いながら、吉田はメガネのずれを直すような仕草を見せた。

「これやろ?メガネェェェェッ、ビィィィィムッ!」

吉田が叫ぶと、吉田のメガネから閃光が走り、そばにあった材木を木っ端みじんにした。

「いやぁぁぁぁっ!」

曜子は、またしてもその場を逃げ出してしまった。

 曜子は、まだ部屋へ帰ることもできず、仕方がないので作業室に向かった。作業室には、曜子に直接仕事の指導をしている河西がいた。河西はメガネを埃で真っ白にしながら研究用試料の調製をしていた。

「河西さん、助けてください!」

河西は、試料を詰めた袋の口を縛りながら曜子の顔を見上げた。

「どぉしたぁ?」

「渡辺さんと、吉田さんが・・・」

「またあの二人にからかわれたんか?」

河西は少しにやにやしながら曜子を見ている。曜子が説明しようと口を開き掛けた瞬間、河西は、それを制していった。

「ちょっと待ってな。先にこの試料粉砕するから。」

そう言うと、河西は試験圃場から採取してきたレタスを実験台の上に並べた。そして、メガネの縁に手を掛け、叫んだ。

「メガネビィィィィィィィィィィムッ!」

河西のメガネから閃光が走り、レタスに命中した。すると、レタスは一瞬にして水分を常発させ、粉々に砕け散った。

「これでやると、一瞬でけりが付くから、有効成分を破壊しないですむんや。な、河野さん。あれ?河野さん?」

曜子は、河西がメガネビームを発射した瞬間、そこを逃げ出していた。

 曜子が研究所内をさまよっている間、曜子の所属する研究室では研究室を統括する主席研究員の東野と、渡辺、吉田、河西が集まって相談をしていた。まず、東野が口を開いた。
「河西さん、河野さんにちゃんと教えてなかったんか?」

河西は頭を下げた。

「すいません、常識として、もう知っているとばかり・・・。仕事でも使う機会がありませんでしたから。」

続いて、渡辺と吉田も頭を下げた。

「私らも配慮が足りませんでした。」

東野は、しばらく腕組みをして考えていた。

「まぁ、しゃぁないわな。あの歳になるまで知らんやなんて誰も思わんし。よっしゃ、すぐ納得できるかどうかは別として、いっぺんみんなできちんと説明しよう。河西さん、悪いけど河野さんを呼んできてくれるか?」

「わかりました。」

 河西は、時間はかかったものの、曜子を見つけることができた。

「河野さん、すまんが、研究室まで戻ってきてくれ。今回のこと、みんなできちんと説明するから。」

「でも・・・。」

「だけど、このまま何もわからないままでは良うないやろ?頼むから話を聞いてくれ。」

「わかりました・・・。」

曜子はようやく納得し、河西とともに研究室へ戻った。

「まず、メガネビームの原理から説明しよか。」

河西は、メガネを外して見せた。

「このフレームの部分な、ここで空気中のイオンを集積するんや。で、そのイオンによってレンズと空気に電位差を発生させ、筒状に磁場を作る。それを利用して電子ビームを加速、発射する。大気中では炭素原子と反応して発光、視覚化したビームになる訳や。」

曜子は、ずっとだまったまま聞いていた。河西は続けた。

「それで、そのビームが当たった物体は、瞬時に高温となり、それと同時に分子間の結合も破壊される。それで爆発、四散するという訳や。」

ここまで黙って説明を聞いていた曜子がようやく口を開いた。

「でも、どうしてそんなことをするんですか?」

事情を知らなかったものとして、至極当然の質問だったが、河西らは驚いたように顔を見合わせた。

「ホンマになんも知らんのやなぁ。」

渡辺があきれたように言った。すると、それを制して東野が言った。

「ま、しゃぁないやろ。そしたらここからはワシが説明しよう。これはな、我々人類が新しい段階へ進むための第一歩や。」

「どういうことですか?それ。」

「メガネは今や、人類とは切っても切れんくらい密着したもんや。もはや肉体の一部といってもいい。コンタクトっちゅうもんもあるけどな。地球環境が激変していく中、人類が生き残るためには種の進化しかない。そこで、肉体改造の第一歩としてまずはメガネから、という訳や。」

曜子は、あまりの衝撃に声も出なかった。これは夢か?あまりにむちゃくちゃだ。しかし、夢であるにしては、メガネビーム以外の事実には夢にありがちな脈絡のなさも感じられないし、矛盾もなかった。

「ほな、そういうことで、河野さんのメガネもメガネビーム仕様に改造しよか。」

こういうことが大好きな渡辺が喜々として言った。

「いえ、あの、結構です。今日の所は勘弁してください。」

曜子は懇願したが、全員それを許さない雰囲気だった。

「上司として業務命令や。河野さん、メガネビームを受け入れなさい。」

東野が手を差し出す。しかし、曜子はそれを振り払い、メガネを外した。

「ごめんなさい、私、だめです。メガネはもう掛けません。だから、許して!」

曜子の目には涙が浮かんでいた。それは、日光を反射して、きらきらと輝いていた。しかし、反射だけにしては、あまりに輝きが強く思えた。その輝きに、メガネ改造を迫る東野達は一瞬ひるんだが、それでも許すとは言わなかった。

「私、私・・・メガネから光線なんて出せません!」

次の瞬間、曜子の瞳から閃光がほとばしった!

その閃光により、研究室は爆発四散、たちまちがれきの山となった。そのがれきの中で、曜子は相変わらずメガネを持って泣いていた。

「みんな、みんな、どうかしてるよぉ~!メガネから光線なんて・・・。」

曜子が叫ぶと、がれきの中から黒こげになった渡辺が起きあがった。

「目から光線出すあんたのほうがどうかしとるわ!」

それだけ言うと、渡辺は再び倒れた。つっこまずにはいられない、関西人の根
性であった。

「そんなことないですぅ~。」

その声を、もうだれも聞いてはいなかった。

                                おわり

2013年4月28日日曜日

与作酷道(国道439号線)と京柱峠ツーリング!

昨日(2013.4.27)ゴールデンウイーク初日を利用して、日帰りツーリングに行って参りました。で、当初の腹づもりでは行き先は四万十の海洋堂だったんですが、体調がもう一つだったので1日500kmを越えるのは少し不安だったのと、職場にサイバーショットRX100を忘れてきたため、取りに行かねばならないという無駄な時間を喰うことが決定したため、去年行きそびれた京柱峠に行ってくることにしました。

剣山方面の「見ノ越」が通行止めになっていること、いったん職場に寄らねばならなかったことを考慮してまずは徳島の貞光へ出て、そこから438号線で上がっていき、剣山登山口から与作を西に走ろうと言うルート設定にしました。ただ、ここで間違ったのが、ちょっと写真に撮りたい景色があるからとまんのう町の七箇というところから野口ダムの横を通り、東みよし町へ出るというルートを選択したこと。これがまたすごい道でした。舗装は悪く、轍は深く、落ち葉も多くと非常に神経を使う・・思ったよりそういう区間が長く、吉野川沿いに出るまでが一苦労でした。


撮りたかった景色というのがこの池がまず一つ。あの向こう岸の白い花が咲いている木はなんという木でしょうか。オート任せでちょっと白飛びしちゃってます。うーんカメラの液晶画面ではわからんかったなぁ。


これは野口ダム。良いビューポイントが見つけられなかった。


東みよし町に入ったところで、道路から下の傾斜地に張り付くような集落。後から紹介する落合集落も上から見るとこんな感じなのだろうか。


東みよし町の美濃田大橋。大橋という割には一車線で、車は交互通行しかできない(笑)。


剣山山頂付近を439号線から。もっと良いビューポイントがあったんですが、バイクを止めるところがありませんでした。439に入ってしまったら、きれいに山頂が見えるところがなかったので、こんな事ならバイクから降りず、止めるだけ止めてとりあえずさっとカメラを出して撮れば良かったと後悔。


こういうのがある、というのを全然知らないで通りがかって、なんで畑に人がこんなにたくさん座り込んでいるのか、と思ってバイクを止めてみると、「かかし工房」の看板が。徳島県三好市東祖谷で女性が作っているかかしが評判になり、人が集まるようになったようです。


こんな風にたくさんのかかしがいます。遠目に見ると、生活感があり、生きているようです。


中に入ってみます。集まって、世間話をしているかのようです。


奥の民家では、みんな揃ってひなたぼっこです。


おっさんなんか言いたそうやな(笑)


民家の中では、かかしの結婚式です。


お昼に食べた祖谷そばです。


落合集落です。かなり山の上まで家がありますね。


落合集落の展望所から少し下ったところに、バイクを入れて撮れるポイントがあったので、撮ってみました。


で、いよいよやってきた目的地の京柱峠です。この写真の右側に峠の茶屋があり、名物猪肉うどんが食べられるのですが、ずいぶん遅くなり、落合集落で祖谷そばを食べてしまっていたのでした・・・。ここは、徳島県と高知県の県境で、高知県側を見たところです。徳島県側は地味だったので、割愛です(笑)。


さて、帰り道です。国道32号線に出て、道の駅大歩危です。奥の方に、鯉のぼりがたくさんつるされています。


大歩危は子泣きじじいの出身地らしく、道の駅に妖怪屋敷というアトラクションがあります。なので、妖怪が跳梁跋扈しています(笑)。しかし、この妖怪の名前なんやろ?


ツーリング記事にはつきものの、ソフトクリームです。でも、ご当地ソフトというわけではなく、ただのチョコ&バニラです。この後立ち寄った徳島自動車道の吉野川ハイウエイオアシスでご当地ソフトがあったので、そこまで我慢していれば・・・。



徳島県美馬市脇町のうだつの町並みです。写真の民家の左上に屋根に乗っかるような塀がわかるでしょうか。火事の時、類焼を防ぐためのものだそうですが、これが「うだつ」です。「うだつが上がらない」と言いますが、このうだつを付けるお金がないことを言うそうです。


こんな感じで古民家が建ち並んでいます。


お土産屋さんもおしゃれですね。


さっきの写真と反対側から撮ってみました。


バイクをアップにしてみました。

さて、ここからは自宅までもそれほど遠くなく、一気走りで帰りました。体調がもう一つだったこと、国道439号線が思ったよりしんどい道だった(一度砂が浮いているところで滑って転びそうになった)ことで、帰ったら疲労困憊でした。次に行くとしたら、軽量なオフロードバイクが欲しいところです。でも、それ以上に充実した、楽しいツーリングでした。次は夏頃に瓶ヶ森林道かな?

当日の走行距離:320km